株式投資初心者のためのコピペ投資術-お金の真実

お金とは何ですか? 1
銀行の歴史と現在の金融システム 3
現在の金融システムのメリット、デメリット 5
経済に与える影響 7
世界規模の戦争が起きる理由 10
まとめ 10
お薦め書籍 11
お金とは何ですか?

この簡単な問いかけに答えられる人は、実はそれほど多くないという事実に気が付きました。

実際、これを読んでいる、あなたもきっとそうなのではないかと思います。

これは、一万円札の写真ですが、これはお金ではありませんと言ったら驚くでしょうか?


これにはお金とは一言も書いていません。
書いてあるのは「日本銀行券」と書いてあるだけですね。
では「日本銀行」とは何なのでしょうか?

答えは、上場企業です。
もちろん、この一万円札を発行しているのは日本銀行です。
ここである疑問が湧くと思います。
政府でも何でもない、単なる一民間企業が発行した券がなぜ通貨として
流通しているのか?

それに答える前に、作っているのはどこなのでしょうか?
それを調べるのは簡単で、実はお札に書いてあります。


「国立印刷局製造」
国立と言うことは、政府は一民間企業である、日本銀行の下請けなのです。
つまり、単なる民間企業のうちの一つである日本銀行は、日本国政府よりも
上にあるという図式が成り立ちます。

では、この券は何と交換できるのか?
昔は、金や銀と一定のレートで交換できましたが現在はできません。

次章からは、一民間企業が発行した券が、なぜ通貨として流通しているのかを
解説していきます。

銀行の歴史と現在の金融システム


現在の銀行が、何もないところから紙幣を作り出す方法は、
イングランド銀行ができる前の、17世紀イギリスで発展しました。
日本銀行を含めた現代の中央銀行はイングランド銀行をモデルにして
作られた銀行なので、その当時の歴史を見てみましょう。

当時は、取引は全て金貨を通して行われていて、現在の紙幣に該当するものはありませんでした。
しかし、金貨は重く、持ち運びにも不便で紛失や盗難などの危険性が高くなります。

そこで商人たちはセキュリティのしっかりした金庫を保有している金匠(goldsmith)や両替商に金貨を預けて、その預かり証を保管するようになりました。

商品の代金を払うときに、その預かり証を金貨と交換してから支払います。
金貨を受け取った相手は、金匠(goldsmith)で同じ様に預かり証に交換します。
これが金本位制(Gold Standardの始まりですね。
(個人的には金本位制と言うよりは英語のThe Gold Standard(直訳すると金基準)の方が分かりやすいですね。)

流通が一般化すると、同じ街であれば、受け取る相手も同じ金匠(goldsmith)を
使っている可能性が高いので、金匠(goldsmith)を介さずに預かり証のみでの
流通が始まります。

そうするうちに、預かり証が金匠(goldsmith)に戻らずに通貨として
流通するようになり、預かり証での支払いが一般的になってきます。

この預かり証が、現在の銀行券(紙幣)の原型になります。

さらに、支払いが預かり証のみで行われる事が一般的になると、
金匠(goldsmith)は、預かった金貨を貸すことによって得られる金利で
利益を出せる事に気が付き、金貨を利子付きで貸し出すことを始めます。

金貨を貸し出すことによって市場に流通する通貨の量は増えることになります。

例えば、預かった100枚の金貨の内90枚を貸し出したと仮定すると、
流通している通貨は、発行済の預かり証の100枚分と貸し出した
金貨の90枚で合わせて190枚となります。

つまり、市場に流通している通貨が90枚分増えているという事になります。
これは、金貨の現物が存在していない=”架空のお金”が創造されたことを
意味します。

しかし、ここで大きな問題があります。
預かっているはずの金貨を、貸し出してしまっているので、金匠(goldsmith)には
金貨が足りない状態が発生します。 

これが銀行には、お金がないと言われる理由です。

実際には存在しない(本来預かってないといけない)お金を貸し出し
それにより金利を得る。

この行為は、無いものを貸しているという事になりますので、通常であれば
詐欺に当たりますが、市場に流通している通貨が増える事によって経済の
潤滑油になっているという側面もあった為、当時のイギリスは法律で
これを許可しました。

貸し出した金貨が、利子付きで返ってくると言う「約束」の基に、
”実際には存在しないお金”を生み出しているのが、このシステムです。

これを繰り返すと、無限に架空のお金を生み出すことが可能です。

これが「信用創造」システムの基本であり、このシステムこそ、
現代金融の原型になります。
無い物を貸し出す、これにより発展した近代金融システムの崩壊は
時間の問題なのです。

現在の金融システムのメリット、デメリット


現在の金融システムは、インフレーションを引き起こします。
なぜインフレが起きるのかと言うと、金(Gold)などと一定の基準で交換できない、
信用のみでやり取りされるお札を大量に市場に供給すれば、価値は当然下落します。

しかし、このインフレーションには、投資した場合に資金の回収が容易になるという
メリットがあります。

100万円を投資したとして、額面としては最低でも100万円を回収する
必要がありますが、インフレーションにより、価値の面で見ると
100万円以下でよいという事になります。

つまり、投資した額を回収する時に、時間が経過して100万円の価値下落が
発生し金額の面では、同じ100万円を回収したとしても価値の側面からは、
安くなると言うことです。

これがインフレーションの方が経済をコントロールしやすいと言われる所以です。

しかし、デメリットとしてインフレーションは国民に取って目に見えない税金として
国民生活を脅かします。

この説明について、著名投資家であるウォーレン・バフェット氏がした談話が
凄くわかりやすかったので以下に引用します。

「インフレーションが歴史上最も重い税金であることは、ちょっと計算すれば
すぐにわかります。このインフレ税は、資本を食いつぶすという素晴らしい
能力を持っています。
例えば、ある未亡人が財産を5%の定額貯金で運用するとしましょう。
インフレ率がゼロ%で、その利息収入に100%の所得税がかかるとすれば、
未亡人は所得を得ることはできません。
しかし、所得税を免除されたとしても、インフレ率が5%であれば、
やはり未亡人の所得はゼロです。
利子は得られますが、元金が5%目減りするために、
差し引きでゼロになってしまうからです。

しかも、人はこのインフレ税を見過ごしてしまう傾向があります。
この未亡人も、所得税が120%になれば怒りだすでしょうが、
5%のインフレが経済的に見て同程度の悪影響を及ぼすことには、
恐らく気がつかないでしょう」

                           ウォーレン・バフェット

この話の補足をしますと、100万円を持っていたとします。
100万円+利息5万円=105万円ですが、この増えた5万円に
100%の所得税がかかるので100万円のままです。

100万円+利息5万円=105万円ですが、インフレ率が
5%なので、額面としては増えていますが、105万円の価値は、
以前の100万円と同じです。

結論として、昔は貯金をする=金(Gold)を貯めるでしたが、今は
価値が目減りする為に、貯金だけをしていればいい時代は終わりました。

しかも、多くの人に気付かれずに税金が取られているという事です。

経済に与える影響


このシステムの問題点は、経済にも甚大な影響を及ぼします。
逆にこのシステムの本質を理解すれば、それを利用することもできます。

信用創造とは市場の通貨量を増やすことで増大します。
市場の通貨量が増えれば購買力が増えるので、景気は良くなります。
それに合わせて株価も上昇します。

しかし、景気がよくなり、金利も上昇すると、大量の借金をしている国は
金利支払いが厳しくなる事から景気がよくなると困ることになるのです。

単純計算で、金利が1%上昇するだけで国の借金650兆円の1%ですので、
6.5兆円の支払いが増える事になります。(長期金利と短期金利がありますので、
急に上昇する訳ではありません。)

現在金融危機を迎えているギリシャ並み(6%程度)になったら、
どうなるか簡単に想像がつきますね。

余談ですが、日本はGDP比率でギリシャの2倍程の借金を抱えていますが、
ギリシャでは、大変な事になっているのですが、日本ではそれほど
問題視されていません。

これは、なぜかご存知でしょうか?

答えは簡単で、日本の国債は円建てですが、ギリシャではユーロ建てになります。
ギリシャ単独でユーロを発行することはできません。
ヨーロッパの中央銀行である欧州中央銀行にお伺いを立てる必要があります。

しかし、円は日本単独で発行する事ができます。
この違いが現在の金融情勢の緊迫度を表しています。
最終的に日銀に買わせればよいと多くの政治家が考えているのでしょう。

通貨供給量(信用創造)を増やして、景気がよくなってくると、
金利が上がるので借金をたくさんしている国は困る事になります。

景気がよくなっても困るし、悪くなっても困る。
全く困ったものです。

そこで、金融の引き締めを行います。
それにより株価は下落します。

現在の円高の原因もこの本質がわかれば簡単に説明できます。
単純に市場の紙幣供給量が増えれば価値は下落していきます。
しかし、アメリカのFRBが印刷する量と、日本銀行のここ10年ほどの
供給量を単純に比較するとアメリカが100印刷しているとしたら、
日本は50程度しか印刷していません。

この供給量の違いが円高の1因になります。

この様な状況下では、円高になるのは当然です。
しかし、通貨供給量を増やすことはイコールで国民の財産を奪う行為です。
日本銀行の白川総裁はその事をよく理解しています。
通貨供給について慎重になるのは当然です。
(それでけっこう叩かれていますが、、、)

元々金(Gold)で目に見える形で存在していた物が、目に見えない
信用に置き換わったのですから、測定する事自体が不可能です。

目に見えない信用を、目に見える形にしようとして雇用統計や、
GDP比率など様々な指標が存在して図ろうとしますが、どれも完璧ではありません。
そして、それらの指標が現在の経済をより複雑な物としています。

だから、FRB議長がちょっと発言しただけで為替が動いてしまうのも信用を
やり取りしているから数字では判断できないためです。

この共通の価値概念がない事が現在の複雑な金融システムの原因になります。
例えば、海外に行くと物価が違っていて、安かったり、高かったりと本来であれば、
需要と供給で価格が決定するところが違う要因で価格が決まっていきます。

ジェットコースターの様に株価が乱高下を繰り返すのは、この信用創造システムの
本質を理解すれば簡単ですね。

信用が増える、株価が上がる
信用が下がる、株価が下がる

今はどちらかわかれば株価が今後どう動くかの
予測もそれほど難しくはないですね。

世界規模の戦争が起きる理由


この信用創造システムが世界規模の戦争を引き起こしている原因でもあります。
本来政府には戦争をするだけのお金はありません。
現代の政府もそうですし、古代ローマ帝国時代でも、変わりません。

古代ローマ帝国では、戦費調達の為に悪貨(通常の通貨よりも
純度の低い金貨)を発行して戦費の調達をしました。

割と近年の国内のお話で言えば、日本最後の内戦と言われている西南戦争時に
当時の薩摩藩が発行した、西郷札も何もないところから創りだした紙幣ですね。
結局西南戦争に負けて紙切れ同然になってしまいましたがね。

戦争が起きる原因を一言で言ってしまえば、戦争をするだけのお金を貸してしまう
貸し手がいるからに他なりません。


まとめ


この、信用創造システムの本質がわかれば投資をしないという選択肢は
消えてなくなるでしょう。

私達の貴重な財産は、ある特定の一部の方たちに搾取されています。
しかし、このシステムの本質を理解し、応用すれば、自分もお金持ちになる
選択をすることも可能です。
これからの将来どうなるか、いつ破綻が起こるのかという事は、
正直予測することはできません。

しかし、このシステムは銀行が無い物を貸し出し始めたその瞬間から
確実に崩壊に向かっている事だけは確かです。

貸し出す先の条件としては、以下の2点を満たす借り手が理想です。

1. 信用が高ければ高いほどよい
2. 浪費家であればあるほどよい

この2点を満たす貸し出し先として国家は最適なのです。
 なぜなら、最終的に国民から取る税金を上げて返済すればいいからです。
今も消費税増税が確実視されています。

現在の日本で言えば支払い税金の4分の1以上が金利で取られています。
一生懸命働いて払ったはずの税金の一部が銀行に流れています。

このシステムを止めることは正直難しいと思います。
しかし、この本質を理解して、利用することは十分可能です。
きっと楽しい将来が待っている事でしょう。

皆様の投資の成功を応援しています。

投資家あおやま

お薦め書籍


この信用創造システムについて、詳しく知りたい方は、以下の書籍をお薦めします。

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残念ながらもう廃版なので中古しかなく、中古でもプレミアム価格がついています。
凄く長い本で、読むのに根気が要りますが、一読の価値はありますよ。
お薦めです。


2012年7月25日作成
私の株式投資法の全てを公開しています。
興味のある方は以下のリンクからどうぞ。
株式投資初心者のためのコピペ投資術・序章

①株式投資初心者のための戦略的投資計画

②株式投資初心者のための情報の選別法

③株式投資初心者のための財務分析 - 四季報編

コピペ投資術セミナー動画を公開

④株式投資初心者のための財務分析 - 決算書編

⑤株式投資初心者のためのコピペ投資術-総論

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